大人しいとなんだか寂しいです 4/5



数枚ある書類に目を通し、スラスラとサインを書き込んでいくブチャラティ。

かなり熱があるのだろう、顔が赤い。
見てるだけでもしんどいのが伝わってくる。


最後の1枚にサインを書き終えたタイミングでゆきは話しかける。


「お疲れ様ブチャラティ。…そういえば、薬飲んだの?」

「いや、寝ていれば治ると思って飲んでいないが…?」

「え!!???」


衝撃発言が聞こえた。

普段風邪を引かない人ほど、寝てれば治るというものである。

そういう人ほど薬を飲んだら熱も下がって楽になるのに、あえて苦しい方を選ぶのだ。


「薬はあるの?」

「あぁ…確かあの棚にあったと思う。」

ブチャラティの視線の先には、シンプルな作りのチェストがあった。


ゆきはチェストに近寄り、片っ端から開けていく。

綺麗に整理されている為、直ぐに薬の入った箱は見つかった。

その中から見覚えのある解熱剤を取り出し、再びブチャラティの元へと戻る。


そしてどうせ何も食べていないであろうブチャラティに、差し入れとして買ってきていた小さなゼリーを無言で手渡す。

「…これは?」

「お薬飲む前は何か食べなきゃ。コレならしんどくても食べれるでしょう?」


ペリペリっとゼリーの蓋を開け、ブチャラティはゼリーと一緒に手渡したスプーンで口に運んでいく。


なんだかしっかりした体つきと、普段の性格(変態行為は除く)からは想像出来ない可愛らしい姿に小さく笑う。


あっという間に食べおったブチャラティから空の容器を受け取り、持ってきた水と薬を手渡す。

勢いよく薬を口に入れ、ゴクリと顔を歪ませ水を飲む。
…あ、さては薬苦手なタイプだな。


「…何から何まですまない、ありがとうゆき。」

「やだ、今更じゃあない。全然いいからゆっくり寝て頂戴!」


鍵を締めるくらいであれば、ゆきの触れたものを操れるスタンド能力で何とかなるのをブチャラティは知っている為、ブチャラティはふっと笑って布団に入る。

 

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