食べちゃうぞが冗談に聞こえません 5/6



長い付き合いであるチームのメンバー達とは、長期の任務や仕方なしの野営などで寝泊まりする機会がある為、今更一緒に寝るのも気にならなかった。

いつも食事会の時は、生き残っているメンバーの特権でベットを使って寝れるのだ。


ゆきも酔いが覚めていると思っていたが、立ち上がるとやはりだいぶお酒は回っているようで少しふらついた。


「(明日は二日酔い確定ね…)」

起きた時の憂鬱であろう体調に嫌気がさすが、それよりも眠さが襲ってくる。


ブチャラティも同じようで、今にも目が閉じそうなくらい眠そうだ。


部屋につくと早速ぼふりと広いベットにゆきは飛び込む。


「も〜このまま寝れそう…。」

うつ伏せになり、枕へと顔を押さえつけて言う。


ベットの横が沈む感覚がしたので、どうやらブチャラティも隣へと転がったようだ。


「今日はいっぱい食べたよね…本当。苦しいもん…。」

「そうだな、いつもよりちょっとばかし量が多かった気がする。」

「アバッキオなりにジョルノへの歓迎の気持ちだったんだろーね…プリンやらチョコやらい〜っぱいだったし。」

「やっぱりか?どおりでデザートが多いと思ったんだ。」


どうやらもう食べきれないと思っていたお腹も、とろけそうなくらい甘かったプリンの味を思い出した瞬間に、不思議とまた食べたいと脳が訴えてくるのであった。


「プリンのこと思い出したらまた食べたくなってきちゃった…そう思わない?ブチャラティ。」

そう言いながら、もぞもぞと体の向きを変え天井を見上げる。

「そうだな…」

ブチャラティがそう呟いた瞬間。


「…っ!!!!」


横にいた筈のブチャラティが、天井を見ていた筈のゆきの前へと現れる。

お酒のせいもあり、とろんとした目つきのブチャラティと目が合う。

ブチャラティから発せられる妖艶な色気にゆきは、ただただ顔を赤くさせるしか出来なかった。


そして、ブチャラティは切なそうに口を開いた。

「俺は…ゆきが食べたい…。」

だんだんブチャラティの顔が近づいてくる。

「ブ、ブチャラティ…ちょっ、」


ーーーーキスされる…っ!!!!

恥ずかしさとブチャラティの色気に耐えきれず、目をつぶる。

 

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