くっつかないでください移ります変態が 6/7
あれからしばらく走り、ようやくチームのみんなと合流できた。
フーゴとナランチャもいつの間にか、アバッキオやミスタと合致していた様だった。
「それにしてもビックリだよなァ、ゆきとブチャラティが手を繋いでこっちに走ってきた時には、ついにお前らがデキちまったのかと思ったぜ!」
「もーその話はやめて!あれは事故なの!」
ローマを観光し終え、帰りの車にて話しかけてくるミスタ。
「事故なんかじゃあないぜ?俺とゆきは自分の意思で手を繋いでいたんだからな。」
話に首を突っ込んでくるブチャラティ。
「それに嫌だったらゆきは早々にブチャラティの手を振りほどいてるはずだぜ?」
そう鼻で笑いながら言うアバッキオ。
「うるさいうるさい!アバッキオもブチャラティもうるさーーーい!!!」
「おい!うるせェぞゆき!!!なんで俺が運転なんかしないといけねぇんだ!!ちくしょーーーー!」
「それはナランチャ、君がみんなに迷惑かけたんだから当たり前でしょう!」
トレヴィの泉での勝手な行動の罰として、帰りはナランチャが運転する事になった。
ナランチャの運転では不安と、フーゴは助手席へと座り見守っていた。
「ちっくしょーー!!なんで俺だけこんな目にーーーッ!!!」
ナランチャはブツブツ言っていたが、しばらくしてニヤニヤと笑い始めた。
「何をそんなに笑っているんです、ナランチャ。」
訝しげにナランチャをみるフーゴ。
「俺に運転を任せるからいけねぇんだぜ…。」
そう言い、ナランチャは思いっきりハンドルを右へ左にと切る。
ーーーーーキキキッッ!!!
大きい車である為、車体が激しく右や左に振れる。
後ろに座っているアバッキオ、ミスタ、ブチャラティ、ゆきは車の中を転がるように動く。
「ちょ、ちょっとナランチャ!!!危ないわよ!!!」
「おいッ!止めてくれフーゴォ!!!」
「チッ、ナランチャのやつ何やってやがる!!!」
「いい加減にしないかナランチャ!!…うわっ!!!」
フーゴがナランチャの頭を叩いたのだろう。
車の揺れが止まる。
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