盗撮が犯罪って知っていますか? その1 3/4
ブチャラティとナランチャと離れ、1人で家へと向かう。
バールからは少し離れた場所に住んでいるが、ゆきは今住んでいる所がお気に入りであった。
賑やかで元気な街とは違い、静かで少し落ち着いた雰囲気なのである。
ギャングとして常に危険と隣り合わせのゆきは、こういった落ち着いた場所が好きなのであった。
「ーーーっ!!!!」
まただ。
また、どこからが視線を感じる。
キョロキョロ見渡すが、やはり見当たらない。
「はあぁぁぁ…。」
とうとう自分もストレスでおかしくなったのか…???
気のせい気のせい!っとまとわりつく様な視線を無視して、小走りで家へと向かう。
あの角を右に曲がれば、自らの住むマンションの入口。
はやく、はやく。っと焦る気持ちを抑えながら角を曲がる。
この街じゃあ珍しい、オートロックの最新マンションだ。
確かに家賃はとても高いがーーー。
自分の安息の為には必要な出費だと割り切っていた。
ようやく部屋の前につき、玄関の鍵をあける。
未だに視線はあるような気がしたが、早くシャワーを浴びて寝よう。っと、部屋に入り鍵を閉める。
父親はイタリア人だが、母親が日本人であった為ゆきは家の中では靴を履かない生活を好むようになった。
さっそく靴を脱ぎ、部屋の中へと1歩踏み出した。
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