4部 short小説 | ナノ

たったひとつの 2/4



学校に着くと早速仗助は女の子達からのチョコをゲットする事が出来た。


「あの・・・仗助くんっ!これ、受け取ってください!」

「おー、ありがとよォ。」


「仗助ぇ、このチョコ有名なブランドのチョコなの!食べてね!」

「マジ?やりぃ!サンキューッ!!」


羨ましそうに見てくる億泰と別れ、自分のクラスに到着した仗助。

今年もまずまずなチョコレートの数に、満足そうな顔で席に座る。


「あ、仗助ようやく来た!おはよう〜〜〜!」

そう仗助の元にやって来たのは、彼女のゆき

「はよっすゆき!」

今日もグレートな可愛さのゆきに癒やされる仗助は、今か今かとゆきからのチョコを待つ。


「仗助!仗助ったら昨日私と約束してたプリンスのCD持ってきてくれた〜?」

仗助の机に手をつき、首をかしげる。


「へ・・・?あ、悪ィ!!完っ璧に忘れちまってたッ!!」

今日がバレンタインだという事に気をとられていた仗助は、ゆきとの約束をすっかり忘れていたのであった。


「も〜!!だと思った!・・・明日こそちゃんと持ってきてねっ!・・・あ、もうすぐ授業始まっちゃう!教室戻るね、じゃあね仗助!」

そういって仗助の隣のクラスのゆきは、自分の教室へと戻っていた。


「あ、おいっ・・・」

チョコは・・・という仗助の呟きは、チャイムと共にかき消されていった。






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