教えてあげない! 2/6
「どうしてゆきって、ミスタなんかと付き合ってるんでしょう?」
そう、机に肩肘を付きジョルノは悩ましげにため息をつく。
「なんでってそりゃおめェー!!!…?なんでなんだァ、フーゴ?」
ナランチャは威勢よくジョルノに食いかかったものの、しばらく考えた後に首を傾げ、フーゴへと尋ねる。
「なっ!なぜ僕に話を振るんだナランチャ!そんな事を僕が知るわけがないだろう!!!」
困ったようにフーゴは立ち上がりナランチャを見る。
「あのよォお前ら…人の恋路の噂ってのはあんまりよろしくねェんじゃあないか?」
呆れたようにアバッキオは、湯気があがる紅茶を啜る。
アバッキオに同調するように、ブチャラティも頷いていた。
「けどアバッキオ、ブチャラティ!…不思議に思いませんか?」
ジョルノは未だ肩肘ついたまま、静かに語り出す。
「あんなに可愛くて、可憐で、愛くるしくて、麗しく、それでいてグラツィオーゾなゆきなのにッ!!!」
徐々にヒートアップしていくジョルノは、悔しそうに胸を押さえる。
「…ジョルノ、お前のそれは全部可愛いって意味じゃあないか。」
ブチャラティは眉をひそめ、まるでやれやれとでも言いたげにジョルノを見る。
「…っとにかく僕は!ゆきが同じ日本人の血が流れてる僕じゃあなくて、ミスタなんかを選んだって事が気に食わないんですッ!」
バンッとジョルノは机に手を付き、立ち上がる。
そしてその声は奥のソファーに座る、ミスタの耳にも届いていた。
「おーい、ジョルノ。本心だだ漏れてっから。つーかよォ、俺に丸聞こえだから!さすがの俺も傷つくってーのッ!」
ミスタもゆきをソファーに一人置いて、立ち上がる。
そしてソファの背に、その高い身長に見合っている長い右足を乗せた。