infermieraのお仕事 4/4
消毒を済ませ、ブチャラティの身体に包帯を巻く。
ブチャラティの身体に残る傷跡が、彼等が本当にギャングである事を証明している様だった。
「…はい!おわりですっ!!!」
我ながら綺麗に包帯も巻く事が出来て、とても満足している。
「すげェッ!!!!包帯がキレーに巻かれてるッ!」
とても驚いた様にナランチャは言う。
「ナランチャくん…一応私もインフェルミエーラだから…」
「あ!…そうだった!」
「いつもチームのやつらは、ホッチキスやガムテープなんかで応急処置をすましてるからな。」
今なんかブチャラティさんからすごい発言が聞こえた気がする。
それは聞こえなかったふりをしようと決め、彼等を手当している間に芽生えた気持ちを正直に伝える。
「私…あなた達がギャングって聞いてとてもびっくりしたけど、それよりもやっぱり心から心配したし、助けてあげたいって思ったの…。
本当は怪我しないのが1番だけれど、もしも怪我してしまった時は、ちゃんとすぐにココに来てほしい!!!」
ちらりとナランチャとブチャラティの顔を見る。
2人は一瞬驚いた様な顔をした後、嬉しそうに笑ってくれた。
「もちろんだぜッ!俺、フーゴのホッチキスより、優しい姉ちゃんの手当てのほうがいいッ!!!!なァ、ブチャラティ!!!」
「あぁ。それに、例え怪我してもこんな可愛いインフェルミエーラに手当して貰えるって思えば、我慢だって出来るからな。」
「約束ですよ!ナランチャくん、ブチャラティさん!」
聞けば2人はこれからは再び仕事に戻るのだという。
怪我が治るのはまだまだかかるので、安静にして下さいと伝えたが、果たして大人しくしてくれるのだろうか。
怪我の割にはとても元気に2人は処置室を出て行ったので、少しほっとした。
そして手当に使った道具の後片付けをしていると、いつの間にか処置室の入口へと戻ってきていたブチャラティさんと目が合う。
「すまない、ひとつ聞き忘れていたんだが…」
「はい、ブチャラティさん。どうしたんですか??」
ブチャラティさんの綺麗な瞳に見つめられ、少しドキリとする。
「…君の名前を教えてくれないか?」
「わ、私の名前ですか?…そう言えばお伝えしてなかったですね、すみません!私の名前は愛咲ゆきって言います!」
改めて、よろしくお願いします!と頭を下げる。
「ゆき、か。とても君に合う、綺麗な名前だ。…またゆきに会いに来る。」
そうブチャラティさんは言い残し、今度こそ処置室を後にした。
ゆきはブチャラティの言葉にドキドキし、来ない方がいいと思いながらも、少しだけまた会いたいな…なんて思った。
「よし!!!!頑張るぞっ!!!!!」
そしてより早く、痛くなく治療してあげれるように、毎日ゆきは彼等を思って頑張り続けるのであった。