花束を君に 2/2
「あ、そうだブローノ!」
ゆきはブチャラティから貰った花束を大切そうに、そっと横に置く。
膝の上に鞄を乗せガサゴソと、ブチャラティに食べてもらう為に早起きして作ったお弁当を取り出した。
「これ、作ってきたの!…よかったら食べない???」
以前ゆきが作った日本食を食べ、ブチャラティは素朴でいて、優しい味わいの日本食にハマったのだった。
「これは…!弁当っていうやつか???」
「そう!お弁当よ!ブローノの好きな日本食メインの!!!」
キラキラ目を輝かせてお弁当を見つめるブチャラティは、まるで少年の様でゆきは思わず笑みがこぼれる。
「…グラッツェゆき。ゆきは将来いいお嫁さんになるな。」
「…も、もうブローノってば!」
またもや真っ赤になる顔をそのままに、箸が上手く使えないブチャラティへ持ってきたフォークを手渡す。
「…うまいッ!」
「ふふ、それならよかった!!!」
パクパクとブチャラティはお弁当の中身を平らげる。
楽しい時間というのはあっという間というが、ゆきもブチャラティもお互い一瞬で経ってしまった時間に驚いた。
「…すまないゆき。」
ブチャラティは腕に付けている時計をチラリと見る。
「ううん、私は大丈夫!ブローノ、お仕事頑張って!!!」
ゆきはブチャラティから貰った花束を再び抱える。
「それにブローノのがくれた花束、早く生けてあげなきゃ!」
そう微笑むゆきを花束ごと抱きしめる。
「…またすぐ会いにいく。」
「うん、待ってる。」
ブチャラティはゆきから名残惜しそうに離れ、その場を後にする。
待っているであろう仲間の元へ戻る際、ブチャラティは次にゆきに逢いに行く時また、花束を送ろうと心に誓った。