夢が叶うその日まで 7/11
「親父は、死んだよ。」
悲しそうにブチャラティの瞳が閉じられる。
「…え、な、なんで???」
「親父は、麻薬の取引を見てしまったんだ。…そして、銃で打たれたんだ。なんとか生きてはいたが、その後死んだよ…」
「ブローノ…。」
その姿が泣いてるようにも見え、抱きしめようとする。
が、ブチャラティに制される。
「ゆき…もう君とは会えない。」
ゆきは震える瞳でブチャラティを見つめる。
「ど、どうしてっ…!!!!」
思わずブチャラティの腕を掴む。
「…俺は、ギャングになったんだ。」
「ギャング…」
「俺はギャングになった事を後悔していない。…だが、俺と一緒にいるとゆきまで同じ目で見られる。」
ブチャラティは、そっとゆきの手をおろす。
「私は!!!同じ目で見られても構わないよ!!!」
「それじゃあ、だめなんだっ!!!!!!」
お互い大きくなっていく声にハッとする。