夢が叶うその日まで 5/11


とにかく走って、走った。


右脇が痛いが、はやる気持ちがその痛みを和らげていた。


港の周りには、誰もいない。


ただひとりを除いては。


ずっと会ってなくても分かる。


あれは、彼だ。


ザザーーン、と打ちつける波の音とドクドクうるさい心臓の音を聞きながら走る。


彼まで、あと少し。


あと少し。


私よりもだいぶ大きい彼の手を握る。


驚いたように彼は振り返る。


「!!!…君は、」


「ブローノ、会いたかった…」


ブチャラティの手を離し、そのしっかりと成長した胸元へと抱きつく。

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