夢が叶うその日まで 3/11
ネアポリスへと到着したゆきは、以前の彼の住まいへと行く。
ーーーーーピンポン
ドキドキしながら、家主が出てくるのを待つ。
彼はどんな人になったのだろうか。
背は伸びているのか。
それとも、思ったより伸びてなくて不貞腐れているのか。
以前のままの、優しい彼のままだろうか。
「ーーーはい?」
ガチャりと扉をあけ、出てきたのは知らない人。
「あ、あの…ここはブローノ ブチャラティの住まいでは…?」
男の人に確認する。
「…誰だいそりゃ?俺はもう随分前からここに住んでるが…。前の住人かもしれねぇなぁ???
…しかしお嬢ちゃん、どこかで見た事ーーー
「あ、ありがとうございました!失礼します!」
慌ててそう告げ、大通りへと走っていく。