夢が叶うその日まで 2/11
歌手を目指して、私はネアポリスを離れ1人でローマへと旅立った。
寂しくて寂しくて、その度に帰りたくなったが
彼が応援していると言ってくれたから、なんとか耐えきる事ができた。
幾日が過ぎ、春を超え夏がきて秋になり、そしてまた冬が来る。
ただただがむしゃらに。
ひたすらに、歌って歌って歌い続けた。
そこそこ歌手として名も売れて来た頃。
私はようやく彼の元へと、逢いに行く決心をした。
故郷のネアポリスへ、彼がいるネアポリスへ。
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