希望 2/4
ドアを開けた先に居たのはーーーー。
軽く癖のついた、綺麗なピンク色の髪をした可愛らしい女の子。
「…あら?どちら様でしょうか???」
私にこんな可愛らしい知り合いなんかいたっけ?
自分の記憶を思い出しながらも、ピンクの髪の子がお辞儀をしてきたので、ぺこり、とお辞儀を返す。
「あの…私、トリッシュ ウナっていいます!!…あなたは、ゆきさん、ですか???」
迷いのない、真っ直ぐな瞳で見つめてくるトリッシュ。
なんか、見た事ある瞳だな。とか思いながら口を開く。
「…えぇ。私はゆきよ。失礼ですけど…会った事、ありましたかしら?」
「いいえ。お会いするのは初めてです。」
やっぱり!初めて会うのよね?
一体、何の用なのかしら???そう、質問しようとした時。
「先日、ブチャラティのお母さんに会ったんです。」
ーーーーーブチャラティ。
そう彼女の口から言葉となって、聞こえてきた単語。
久々に他の人からその単語をきいて、思考が一瞬止まってしまう。
「え…ちょっと待って、いま…何て…。」
くらっとする頭を抑えて、もう一度、聞き返す。
「彼の故郷へ行った時、ブチャラティのお母さんからゆきさんの事を聞きました。」
ブチャラティのお母さん。
もう、随分と会っていない。
最後に会ったのはいつだろう。ブチャラティと共に暮らすとなった時以来だろうか。