Call me! 4/5
「いぃぃってぇぇェェ・・・ッ!!!」
ミスタはぶたれた両頬を包み込むようにして触っている。
その目には薄ら涙が浮かんでおり、ミスタの痛さを物語っていた。
「ご、ごめんミスタ・・・思ったより力込め過ぎちゃった・・・。」
申し訳なさそうにゆきはミスタの肩を持ち「ごめんなさい・・・」と謝る。
「い、いや・・・いいけどよォ、どうしたんだ?」
「どうしたって・・・それは私の台詞よ?ずっと黙り込んで、声かけても反応しないし・・・。」
ゆきがそう言うとミスタは気まずそうに視線を逸らした。
「そ、そりゃあ・・・」
「そりゃあなに?・・・ジョルノが来てから、ミスタなんか変よ?」
再び視線を戻すと、ミスタの事を心配そうに見つめているゆきと目が合う。
「(・・・どうしろってんだよッ)」
頭を抱え、悩み混むミスタ。
そしてそんなミスタを更に心配そうにみるゆき。
ミスタの様子に困惑しているゆきは、優しく語りかける。
「ミスタ、心配よ・・・そんなに私に言えないこと?私、ミスタに言えない事なんてないよ?どんなミスタでも、私は受け入れれるよ?・・・そんなに私、信用できない?」
「そんなわけねーだろッ!!!」
勢いよくゆきの方を見たミスタ。
そのゆきの瞳に、ミスタは決意をして話し始めた。
「そのよォ・・・ゆきは俺の事なんて呼んでんだ?」
「え、ミスタよ?」
「・・・ジョルノは?」
「ジョルノ。」
「ナランチャは?」
「ナランチャ。」
「フーゴは?」
「パニー。って、あ・・・っ!」
頬を人差し指でポリポリと掻いているミスタは、どこか恥ずかしそうで。
「ゆきってよォ、・・・俺の事は名前で呼んでくれねーの?」
そう寂しそうに呟くミスタを、ゆきはとても愛おしく感じた。
「ううん・・・呼ぶ。呼ぶよ・・・。」
ゆきはミスタをしばらく黙って見つめ、ゆっくりと口を開いた。