5年越しの 4/5


もぐもぐ私が味わっていると、


「ゆきは可愛いな。本当に美味しそうに食べるじゃあないか。」


好きな男に可愛いと言われ、喜ばない女はいない。また顔が熱くなってきた!


「もう、ブチャラティ!可愛いなんて簡単に言わないで!…慣れてないんだから。」

いつもいつも、可愛いと言ってくれるけれども心臓がいくつあっても足りないよ!


「すまないゆき。…たが、可愛いと思ってる事を可愛いと言って何が悪いんだ?」

笑顔で首を傾げながら言うブチャラティ。


「ーーーっ!!!!もう!!ブチャラティ!!!」


きっとまだ顔は赤いんだろうな…
このままじゃブチャラティにばれちゃう!

なんて思っていたら


「ブチャラティさん、いらっしゃい!」


救いの神、マスターが!


「あぁ、マスター!悪いんだけどエスプレッソひとつ貰えるかな?」

「あいよ!…ブチャラティさん、相変わらずゆきちゃんとラブラブですねぇ!これからもゆきちゃんをお願いしますね!」


もう、私の娘みたいなものですからね。
はっはっはっ!と笑いながら優しいマスターはそう言った。


「ぶっ!!!!もう!!!マスター!!!」

全然救いの神じゃあない!!!
もはや確信犯なんじゃあ…なんて思えてくる。


「もちろんじゃあないかマスター!責任もっておれはゆきを守るつもりだぜ。」

「っっブチャラティ!!!!」


ひゅ〜!お熱いねぇ!なんて言いながら、マスターは店の奥へと去っていった。


まるで愛の告白みたいで、もう爆発しちゃいそう!!!!


真っ赤な顔で、おもわず下を向く。


「おれは本当にそう思ってるんだ。ゆきをこれからも、ずっと守っていきたい。」


「…っブチャラティ、勘違い、しちゃうよ。」


下を向いたまま、小さい声で呟く。


「勘違いじゃあないぜ。おれはゆきの事が誰よりも大切なんだ。」

「…え?」

「おれと付き合ってくれるか、ゆき?」


えっ、ちょっとまって。
ここはバールだよね?あれ、てゆうか夢?
そうだ、夢だ!きっとこれは夢なんだ!
いやだなぁ、どんだけブチャラティの事好きなの自分!
ついに夢にまでみるようにーーーー…

「はいよ、ブチャラティさんお待たせしやした。」


カチャン、とマスターはエスプレッソを机に置いた。

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