Call me! 3/5
ミスタは最近どうも気になることがあった。
それは愛する恋人、ゆきの自分に対する"呼び方"だった。
「(もう付き合ってどれくらい経つかなんざ、数えたことねーけどよォ・・・)」
それなりにミスタとゆきは、長い月日を共に過ごしてきた。
少々なことじゃあ他人にはこの絆は壊せないと思っているし、他のヤツが付け入る隙が無いほどお互いがお互いのことを愛していると自負している。
なのに、未だにゆきは俺のことを"ミスタ"と呼ぶのだ。
そう、俺のファーストネーム"グイード"じゃあなく、ファミリーネームの"ミスタ"の方で。
結婚すればゆきも"ミスタ"になるんだぜ?
それに仮に俺の親戚にあったとして"ミスタ"。
なーんて呼んだ時にゃあ・・・全員振り向いちまうぜ?
いや、そんなことはどうでもいい。
問題はこれだけ付き合いも愛も深い俺を、ファミリーネームで"ミスタ"なんて呼んでいるくせに、チームの奴らをファーストネームやあだ名なんかで呼んでやがる。
コレは可笑しいと思わねーか?
ーーー俺は思うね。
ブチャラティやアバッキオは別だ。
ゆきにとって年も離れているし、特に尊敬しているブチャラティとアバッキオはファミリーネーム呼びするのもそりゃ分かる。
俺だってそうだからな。
しかし、ジョルノやナランチャ。
ましてやいつの間にかフーゴまでっ!!!
なんで俺は"ミスタ"なのにあいつらはちゃっかり"ジョルノ" "ナランチャ" "パニー"なァんて呼ばれてんだ!
・・・気にいらねェ。
そんな事をミスタは頭の中でぐるぐる考えていた。
ゆきの問いかけになんて、全く気づかずに。
「ちょっとミスタ、ミスタってばッ!!!」
話しかけても、体を揺すってみても反応を示さないミスタに対してゆきは、強硬手段を取ることに決めた。
ミスタの頬へ両手をくっつける、
そしてそのまま勢いよく両手を顔から離し、そのまま思い切って・・・
ーーーバチンッッ!!!!
部屋には乾いた音が響き渡る。