Call me! 2/5
「ゆきゆきゆきってば聞いてくれよぉ〜〜〜ッ!!!」
再び背後から叫びながら、近づいてくる気配がした。
気迫せまるその声にゆきは思わず振り返る。
そこには、額から汗を流し必死の形相でやってくるナランチャだった。
「ど、どうしたのナランチャ!?」
「それがよォっ!聞いてくれよ!フーゴのヤツがよォ・・・!!!」
身振り手振りで先程フーゴとのやりとりを必死に再現するナランチャ。
「("ナランチャ"ねェ・・・。)」
そんな2人、もとい3人の前にもう一人息を切らした人物が駆け寄ってくる。
「げっ!!!・・・フーゴ。」
ナランチャはしまった。という顔をして青ざめる。
「ナランチャ、君はもう少し学んだ方がいい。そうやって僕が怒るたびにゆきの元に行っているのはバレバレなんですから。」
「ぐっ・・・」
悔しそうに顔を歪めるナランチャ。
そんなナランチャを見て、可哀想に思ったゆきは助け船を出した。
「まぁまぁ、落ち着いてパニー!・・・ナランチャの話も聞いてあげて?一方的に怒ったら可哀想よ?」
ゆきが発した一言に、ミスタはぴくりと反応する。
「("パニー"だと・・・ッ!??)」
「・・・うーん。ゆきが言うんでしたら・・・まぁ、そうですね。すまなかったナランチャ。頭ごなしに怒ったりして。」
「いや、俺も悪かったよフーゴ。・・・また、勉強教えてくれるか?」
「もちろんですよナランチャ。さ、行きましょう。・・・二人の邪魔をしちゃあ悪いですからね。」
「おう・・・じゃあなゆき。」
「うん!ナランチャ、パニー?もう喧嘩しちゃあだめよ。じゃあね!」
無事仲直りし、手を振り合うナランチャとフーゴは奥の部屋へと歩いて行った。
「仲直りしてよかった。・・・あの二人は喧嘩しすぎよね?ねぇミスタ?」
「(俺は"ミスタ"か・・・)」
ゆきに返事も返さず、真顔で考え込むミスタに首を傾げる。