はい、あーん 2/4


ゆきはジョルノの大好きなプリンをプレゼントする為に、ネアポリスで美味しいと有名なスイーツ屋さんへと訪れた。


前にジョルノの側近でもあるミスタさんに、ここのプリンが絶品だとこっそり教えて貰ったのだ。


それを聞いて、いつも忙しくしているジョルノへのご褒美としてプレゼントしようと思いついた。


しかしまさか、スイーツ如きにこんなに行列が出来ていると思っていなかったゆきは、早速ため息を着くこととなる。


「(これは約束の時間に間に合いそうにないな…)」


このまま並び続けるか悩んだものの、ジョルノの喜ぶ顔が頭に浮かんだ為、並び続ける事を決意したのだった。


その決意からさらに1時間。


ようやくプリンをゲット出来た時には、ジョルノとの約束の時間を2時間も過ぎてしまっていた。


オシャレな紙袋に入ったプリンを大事に抱えながら、きっと首を長くして待っているであろうジョルノの元へと急ぐのだった。


走ったせいで乱れた呼吸を整えて、ジョルノが待つ部屋の扉の前で深呼吸をする。


恐る恐るドアノブに手をかけ、覚悟を決めたゆきは思い切ってドアを開けた。


ジョルノは怒っているだろうか。

それとも、私が遅れている事も気付かず仕事しているのだろうか。


ドキドキしながら部屋の奥へと足を進める。


廊下を抜け、ちらりとジョルノが目に入った。

どうやら仕事をしているようで、書類と睨めっこをしているその美しい顔の眉間には皺が寄っている。


ジョルノもゆきの気配に気付いたのか、書類から顔を上げた。

その顔は何処か不機嫌であり、怒っているのか疲れているのか、またはどちらもなのかもしれない。

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