君とずっと 4/8
「パパやめてっ!」
その様子を見たゆきは慌ててベットから降り、ジョルノの手を押さえつけている父親を離そうとする。
「離しなさいゆきっ!!」
「絶対いや!!ジョルノに乱暴しないで!!!」
父親の腕にしがみつくが、簡単に振り払われる。
そのままゆきの父親は再びジョルノの手を掴み、玄関へと連れて行く。
ジョルノも反抗せず、そのまま引っ張られるがまま後を大人しくついて行った。
ゆきは瞳から大粒の涙を溢れさせ、泣きながら階段を降りてようやく玄関へとたどり着く。
玄関のドアは開け放たれ、ジョルノは右頬を赤くさせ玄関のすぐ外に座り込んでいた。
そのジョルノの様子から見るに、きっとゆきの父親が殴り飛ばしたのだろう。
「ジョルノっ!・・・パパもうやめてよっ!!」
ちらりとゆきの父親はゆきを見た後、ジョルノを見下ろす。
「どこぞの馬の骨かも分からんやつに娘と付き合わすわけにはいかん。・・・二度と顔を見せるな。」
そう言い放ち、ゆきの父親は玄関のドアを閉めようとする。
それに気づいたジョルノはポケットに手を入れ、その中から取り出した何かをゆきの父親から見えない様にゆきへと投げた。
足下を低く飛んでいった物は、小さな音を立てゆきの足下へと落ちた。
同時に扉が閉じ、ゆきの父親が鍵を閉める音が聞こえた。
素早く足下の物を拾い上げポケットにいれたゆきは、その後振り向いた父親からの怒鳴り声に身をすくめる。
怒られている間もゆきの頭を占めていたのはジョルノの事だけだったが、悲しそうにゆきの目を見て「分かってくれ・・・」と弱々しく呟いた父親の声にはっとした。
ジョルノに乱暴した父親を許せないと思っていたが、父親の目を見てゆきの事を心配しているのが伝わり、何も言えなくなってしまった。
それからゆきは父親から外出禁止令を告げられ、1週間学校には行けなかった。