チョコよりも甘い 3/4
「チャオゆき!」
嬉しそうにゆきに手を振るジョルノ。
ポケットからは女の子達から押し込まれたのであろうチョコ達が溢れんばかりに覗いている。
「チャオ、ジョルノ。・・・ごめんね、待ったでしょ?」
「いえ、僕は先程来たばかりです。」
あんなに女の子に囲まれていた訳であるから、随分前に来ていたことが窺える。
優しいジョルノの気遣いにゆきは胸が温かくなった。
ほっこりしているゆきに対し、ジョルノはゆきが体の後ろに隠している紙袋に気づく。
「あ、もしかしてゆき!・・・その紙袋、僕へのチョコですか???」
ひょいっとゆきに近づき、紙袋をのぞき込む。
先程の女の子達のチョコを見たばかりのゆきは、思わずチョコをジョルノが見えない方へと紙袋をずらした。
「・・・何で隠すんですか。」
むっとした顔をしたジョルノと目が合う。
「いやぁ、あはは・・・」
ゆきは、気まずそうにジョルノから目をそらした。
再びジョルノはゆきが持っている紙袋を覗こうと体を近づける。
ゆきはさっとジョルノから見えない位置へとまた紙袋を移動させた。
「・・・僕へのチョコなんですよね?」
「いや・・・そうなんだけど・・・」
ゴニョゴニョと呟くゆきにジョルノはたたみかけるように言う。
「じゃあなんで隠すんですか???」
「う・・・」
もう覚悟を決め、恥ずかしそうにジョルノへと話し始める。