チョコよりも甘い 2/4
翌日。
ちゅんちゅんと軽やかな鳥の声が聞こえる。
肌寒い空気にゆきは目が覚めた。
もぞもぞと布団から手を出し、枕元の時計を手に取る。
そして、うっすら目を開いて時刻を確認した。
ーーー10時
ゆきは勢いよく布団から飛び起きる。
「・・・っうそ!!」
ジョルノとの待ち合わせ時刻は11時。
ゆきの家からは少し距離がある為、もうゆっくりはしていられない。
待ち合わせ時刻に起きなかっただけまだマシだと、急いで準備を始めた。
ようやく準備し終えた頃。
時計を確認すると、既に待ち合わせ時刻ぎりぎりに到着するであろう時間になってしまっていた。
慌ててチョコが入った紙袋と、お気に入りのバッグを持って家を飛び出した。
あの角を曲がると、ジョルノとの待ち合わせ場所が見える!
きっとジョルノはもう待っているはずだ。
角を曲がると、座っているジョルノの姿が視界へと入る。
そしてジョルノのそばには、わいわいと騒いでいる女の子達が。
その女の子達の手には、チョコレートが入っていると思われる袋が握られていた。
よく見るとその袋は有名ブランドである事がわかる。
きっと値段も高くて、その分美味しいのだろう。
ゆきの手作りのチョコでは到底及ばない。
一気に持ってきたチョコをジョルノに渡すことが恥ずかしく思った。
女の子達を前にうっとうしそうな顔をしているジョルノは、ゆきの姿を見た途端に花が咲いたような笑顔を浮かべる。
女子達に一言何かを告げると、女の子達は間もなくジョルノから離れていった。
そうしてジョルノは立ち上がり、こちらへ歩いてきた。