はじまりの合図 2
今日の私の任務は、要人を始末する事。
それも、他殺とバレないように。
私のスタンドは、触れたものを操れる能力。
暗殺にはもってこいのスタンドなのだ。
拾ってここまで育ててくれた"お父さん"の為に、私は人を殺さなければいけない。
メイン通りをしばらく歩くと、周りに厳つい男達をつれたターゲットを見つける。
いかにして男達の目をかいくぐり、ターゲットに触れるか。
ーーーーただ、触れるだけでいいのだ。
"お父さん"の作戦通り、私は男に近づいていく。
ポケットの中に手を入れ、コインを握る。
そして手を出しそのコインを地面へとばら撒く。
ーーーーチャリチャリチャリン!!!!
男達は、一斉に振り向く。
「す、すいません!!!私ったら…」
慌ててコインをかき集めるゆき。
「おいおいおいッ!全くよォ、気をつけろよガキ!!!」
男達はコインを拾い集めるゆきを見下す。
未だ転がるコインの中の1つが、ターゲットの足元へと転がる。
ターゲットはコインを拾い上げ、ゆきへと届けにくる。
「ほれ、気をつけたまえよお嬢ちゃん。」
「わ…ありがとうございます!!!」
手を出し、男からコインを受け取る。
そっと手に触れる事を忘れずに…
コインを拾い集め、早々に男達から離れていく。
停車してある黒塗りの車にそのまま乗り込み、発信させる。
ーーーー馬鹿なヤツら。
移り変わる窓の景色を見ながら、瞳を閉じた。
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