群疑満腹 4



「…ブ、ブチャラティッ!こ、この女ッ!!!」


先程フーゴに机へ叩きつけられていたナランチャが、ゆきに人差し指を向けて目を見開きながら叫ぶ。


それを合図に、料理の数に文句をつけていたミスタが言葉を続ける。

「こないだのヘルシートの護衛の時に会ったんだ…ッ!間違いねェ!アバッキオのスタンドで何度も確認してんだッ!!!」


そして最後に、唯一静かにしていたアバッキオも


「ブチャラティ!コイツは怪しい臭いがプンプンするぜ…ッ!!!俺ら以外に最後にあのじいさんが唯一接触した女だ…ッ!」


ゆきを睨みつけながら、今にも攻撃を仕掛けるのではないかという姿勢でブチャラティの反応を待つ3人。


そして、何が起きているのか把握出来ていないフーゴはゆきとミスタ達を交互に見ている。


「…っ」

突然の仲間の只事ではない表情に驚いているブチャラティが話すよりも早く、ゆきは口を開いた。


「確かに、あなたがた三人にお会いしたことがあります。一緒にいたおじいさんに落としたコインを拾って頂きました。でもあの日は私、散歩をしてただけです…。」

ゆきは三人に向かって切なげに告げる。


ブチャラティは話すゆきの横顔を、じっと見つめる。

「(…汗は、かいていない。)」


「…ッしらばっくれやがってよォ!!!いいぜ、お前がその気なら喋りたくなるまで可愛がってやらァ!!!」

そう叫びミスタはゆきに銃を向ける。


「…っやめるんだミスタ!!!」

ブチャラティはゆきの前に立ち、ミスタの銃からまるで守るように腕で隠した。


「…邪魔するんじゃあねーブチャラティッ!」


「俺はゆきが嘘を言っている様には見えない。…だが、お前らを疑っている訳でもない。」


チーム全員が見渡せる真ん中の位置まで移動すると、ブチャラティは真っ直ぐな瞳で全員を見る。


「これはポルポの命令だッ!そして俺は、ゆきもお前らも信じている。もしゆきが今後お前らを裏切るような行動をすれば、その時は各自の判断を任せようッ!…何か文句があるヤツは今、ここで言ってくれ!」

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