護衛任務 1
今日は朝からついてない。
グイード・ミスタは頭を抱えていた。
朝食を食べに入ったバールは、ミスタでちょうど4人目だった。
そして頼んだコルネット(クロワッサン)は4個セットであり、お代を払おうと財布を覗くと紙幣が4枚。
とことん4のつく数字を嫌っているミスタに対して、今日はとことん4という数字が纏わりついてくるのだった。
そして今日は、ブチャラティから新しい仕事についての説明があるのだ。
朝からついていないミスタは、その仕事に対して心底不安な思いを抱いていた。
ミスタはため息をつきながら、待ち合わせ場所のリストランテへと向かう。
入口にはもうチームの皆のうるさい話し声が聞こえており、すでに集まっている事がわかる。
ーーーーなんだよ、俺が最後かよ。
それすらも今日の4の数字のせいのような気がして、ミスタは憂鬱な気分になる。
「あ!!!よーやくミスタのやろーが来たぜッ!」
ナランチャは立ち上がり、ミスタの方へ人差し指を向ける。
「あーあーうるせーぞナランチャ。時間には間に合ってるだろーがよ!」
煩わしそうにミスタは頭をかく。
「ナランチャは子供だから、待つのが苦手なんですよ。」
ちらりとフーゴはナランチャの方を見る。
アバッキオとブチャラティは、優雅に紅茶を飲んでいる。
「よし、全員そろったな。…これからお前らに任務を説明する。」
ブチャラティはカップをソーサーに置き、立ち上がる。
「今回の任務は、ある要人の護衛だ。」
「なんだ、護衛かよッ!楽勝じゃあねェーか!」
ナランチャは、頭の上で腕を組む。
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