跡部+忍足従兄弟


※幼なじみパロ
 跡部→高校生
 忍足従兄弟→小学生





「景兄、高校生になってから付き合いが悪うなった」
「…いきなり何言い出しやがんだ」
「やって本当なんやもん!中学ん時は部活が忙しい言うて遊んでくれへんかったやろ?高校ではなんの部活にも入っとらんはずやのになんで遊んでくれへんのや!」
 突然部屋に入ってくるなりぎゃんぎゃん騒ぎだした幼なじみを宥めるべきか適当にあしらうか考えていたら、ガチャリと扉が開き、もう一人の幼なじみが顔を出した。
「こら謙也、景兄に迷惑かけたらアカンやろ」
「何いい子ぶってんのや侑士。自分かて最近景兄がつれへん言うてたくせに!」
「まあ、そうやけど。景兄やって高校に進学して色々大変なんやろうし、今あれこれワガママ言っても困らすだけや。謙也はもう少し相手のことを考えなアカンで」
「なんやその言い方!まるで俺が自己チューみたいやんか!」
「…実際そうやん」
「なんやて!?」
「あーはいはい、静かにしろ。この部屋で喧嘩は禁止だっつっただろ」
 これ以上エスカレートしたら喧嘩になると、今にも噛みつきそうな勢いで睨み合う二人の間に割って入る。
「謙也、あんまり構ってやれなくてわりいな。最近生徒会に勧誘されてなかなか空いた時間が作れなかった。今週末ならなんもねえし、侑士と三人で出掛けようぜ」
「お、おん!」
「侑士も我慢させて悪かったな。何も言わねえからつい甘えちまった。もっと自分の意見を言って構わねえからな?」
「…別に、気にしとらんし」
 正反対のリアクションを取る二人が可愛らしくて無意識の内に頭を撫でていた。二人とも最初こそびっくりしたものの、特に止めることもせず満更でもないようだ。
「せや、景兄って生徒会で何やっとるんや?」
 先程の話を流さない侑士は、ある意味やりにくい。そういうところはまったく気にしない謙也に似てくれれば良かったのに。
「…副会長」
「へえ、1年生でか?大抜擢やな」
「なんで生徒会断らんかったんやー」
 侑士に便乗して謙也も納得いかない、という雰囲気になってしまった。
「まあ、色んな事情があんだよ」
「景兄はすぐごまかす」
「せやで、ほんとのこと言うて欲しいわ」
 先程の喧嘩なんてどこへやら。二人とも見事なくらい息を合わせ、グイグイと詰め寄ってきた。この二人が力を合わせるとこの俺でも太刀打ちできることは困難だ。はあ、とため息をつき、面倒だが事の経緯を話し始める。
「わかったわかった。ちゃんと答えるから少し離れろ。…なんでも生徒会長直々に俺を副会長にしたいってお願いされちまったからな。俺だって本当はやりたくなかったけど、会長自ら頼まれたから断れなかったんだよ」
「…景兄、絶対ソイツと二人きりになるんやないで」
「はあ?」
 いきなり侑士は何を言い出すんだ。ぽかんと呆けていると謙也もせやな、とうなずいていた。俺にはまったく意味がわからない。
「無自覚っちゅーんは、恐ろしいなあ」
 謙也のその言葉がやけにこべりついて離れようとしなかった。















―――――――
裏設定で生徒会長は白石だったり。






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