生首 正則 | ナノ 「あの先輩、そんな秘密があったんじゃなぁ。」
「座敷童の嫁か…なかなか興味深いな。」
「バラ色の人生なら、それはそれでいいんじゃない?」
「私は伴侶のいない人生は嫌だなぁ。いつか結婚したいし。」
「エロ本とか風俗とかも駄目なのか?」
「えっ!?あ、いや…それは、分からないです…。聞いてないんで…。」
「なぜ聞かなかった。」
「こら安治、清正が困るような質問はしないの。次いこ、次。」
「次は誰だ?」
「はーいはいはい!俺、俺!」
「………正則か。」
「なんじゃ三成、そのゴミを見るような目は…喧嘩なら買うぞこら。」
「はい、二人とも喧嘩しない!始める始める!」





ふんっ、馬鹿にすんのもそこまでじゃ。
俺の話聞いて、夜寝られなくなってもしらんからな!



これは俺がダチ家に泊まった時の話じゃ。
ちょっと訳ありで、終電無くなってた時、近くの一人暮らししてたダチの家に押しかけたんじゃ。
帰りの手段が全然なくて一晩だけって言ったら、快く上げてくれたんじゃ。
やっぱ持つべきものは友じゃな。

そんで、その日は今日みたいに、蒸し暑い夜での。
あまりにも寝苦しくて、俺、夜中に起きちゃったんだよ。
すっげーのど乾いてて、少し飲み物でも貰おうと思って、声かけたんだ。
でも、ぐーすか寝てて全っっ然起きない。
悪いとは思ったけど…ほら、一様声はかけたしさ。
我慢できんかったから、台所行って勝手に冷蔵庫を開けたんよ。
そしたらさ、



生首が入っとったんよ。



俺ビックリしてさ、思わず冷蔵庫のドアを閉めちゃったんだよ。
きっと今のは何かの見間違いじゃろうって。
そう思って、また冷蔵庫を開けたんじゃ。


なんと、そこには誰かの生首が白目を向いてたんじゃよ。


俺は思わずドアを閉めちゃったんだけど、きっと疲れとって見えもしないもん見たんだって思ってさ。
覚悟を決めて、改めて冷蔵庫を開けたんじゃ。


するとそこには、誰かの生首が白目を向いて笑とったんよ。


俺、ビックリして、冷蔵庫のドアを閉めたんじゃけど、きっと幻覚を見たに違いない。
最近、あまり寝てなかったし、見えもしないもんが見えてしまったんじゃって思い直して、冷蔵庫を開けたんじゃ。


すると、そこには白目を向いた生首が入っていたんじゃよ。


驚いた俺は、気づいたら冷蔵庫の扉を閉めてたんよ。
気のせいじゃって思い直して、再びドアを開けると、


やっぱり白目を向いた生首が、ほのかに笑っとったんよ。


思わず扉を閉めたんじゃが、きっと幻覚に違いない。最近寝てなかったから。
そう思い直してまた冷蔵庫を開けると…。


やっぱり誰かの生首が入っとるんじゃ。


思わず俺は冷蔵庫を閉めたんだけど、これは何かの間違いに違いない。
疲れているから見えもしない物が見えたんじゃと思い直し、冷蔵庫を開けると、


そこにはなんと、白目を向いた生首が……。


うわっと思って冷蔵庫を閉めたんじゃけど、きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないって自分に言い聞かせた。
それで再び冷蔵庫を開けると、


なんと誰かの生首が、白目を向きながら笑っとるんじゃ。


思わず冷蔵庫の扉を閉めた。
きっと気のせいで、何かと見間違たんじゃって自分に言い聞かせて、扉を開け直したんじゃ。


なんとそこには、何者かの生首が白目を向いて笑っとって…。



「俺、思わず冷蔵庫を閉めたんだんじゃけど、」
「おい、いつまで繰り返す気だ。馬鹿にしてるのか、いい加減にしろ。」
「あ!?こっちは大真面目に話しとるわ!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。」
「で、結局どうなったの?」





結局気味が悪いから、飲み物は諦めて、トイレ行ってから寝たんじゃ。
朝、ダチが冷蔵庫開けた時、平然としとったし、きっと朝には無くなってたんじゃろう。
あれはいったいなんだったんじゃろうなぁ。



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生首
語り手:福島正則

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