「ね、キミもしかして銀魂高校の子?」





登校中に話しかけてきたのは、なにやら怖いくらい綺麗な笑顔の男の子。






同い年くらいだろうか。







笑顔はすてきだけど、裏地がトラ柄なんて、趣味がどうかしている。





背中に“四露死苦”なんて、趣味がどうかしている。





わたしに話しかけてくるなんて、趣味がどうかしている。









「ちがいます」







わたしはとっさに目をそらして、否定した。







「あれれ、でもその制服、銀魂高校のじゃない?胸に校章入ってるし」







その人は、わざとらしく目を大きくしてそういった。








「...っ、た、たとえ銀魂高校の生徒だとしてもあなたに関係ないと思いますっ!」







「いや、それが関係大アリなんだよね」











「俺、今日からその高校に通うからさ」










「え」










「ちなみに、クラスは3Z」









「え」










硬直するわたしをみて、どしたの?と首をかしげる男の子。













だってまさか転校生だとは思わないじゃない。







同じクラスだと思わないじゃない。












「道に迷っちゃってさ、案内してくれない?」








そういって両手をあわせて、お願いだよ、という男の子の顔が、結構整っていることに気づいてしまって、急に慌てるわたし。








こっちですよ、と案内しようと手をだすと、ぎゅっと握られた。











「えっ」











急な男の子の行動に、わたしは驚いて後ろへ一歩下がる。












「俺、神威。キミ名前は?」









「・・・月子です」









月子ちゃんね、そういって綺麗に笑った神威くん。












「俺、キミのこと、気に入ったかも」












「はい?」












なにをいってるの、この人は?











まだ会って数分でしょう?しかもろくな会話もしてないし。








なにこの軽い感じ?







ちょっとドキドキしたわたしがバカだった。









やっぱり、裏地トラ柄の人はまともじゃない。








ある程度の距離を保っといたほうがいい。














「ねー、今日ごはん一緒にたべない?」












この軽い感じ、すごく苦手だ。
















「丁重にお断りしますっ」











そういってわたしは、その場から走って逃げ出した。














(ねー、なんで逃げるの?)
(うわあ!なんでついてくるんですか!)
(だって俺も学校行くし)
(・・・っ)




◎あとがき
わーい!ショートで夢やってみたかったんだ!
これからちょくちょく更新していきます!
目指せ完結!← 一応初の20話完結型です!
月子さま、最後まで読んでくださりありがとうございました!




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