「はーい、今日の授業はおわりー」
いつもどおり、やる気の無い銀ちゃんの授業が終わった。
転校してきてすぐ、銀ちゃんから“先生”って呼ぶのはやめろっていわれたので、銀ちゃんと呼んでいる。
・・・こっちの方が変だと思うんですけど・・・。
まあ、銀ちゃんがいいならいっか。
トントン、と教科書をそろえていると、銀ちゃんがこっちを見ている。
『・・・?(にこ)』
とりあえず笑っておいた。
そうすると銀ちゃんもニタァと笑う。
(・・・なにごと?)
「のの子、ノートの回収頼むわ」
『えっ、いやです』
私はとっさにお願いを断った。
だってうちのクラス、ノートの提出率かなり悪いんだもの。
この前神楽ちゃんがノートを集めてたとき、みんなが出してくれなくてなんか取っ組み合いの喧嘩とかしてた。
わたしもあれをしなければいけないのかと思うと、ぞっとした。
「じゃないと単位あげませーん」
『はいィィィ?!』
なにそれ!
違うでしょ!
職権乱用じゃない!!
よろしくーといって銀ちゃんはそのまま教室を出て行ってしまった。
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