少し落ち着いてから、アレンさんは丁寧にわたしに説明をしてくれた。





黒の教団のこと、AKUMAのこと、エクソシストのこと。







この指輪が“イノセンス”かもしれないということ。




そしてわたしが、その“適合者”かもしれないこと。







『そうですか、』




わたしは、ふうーとひとつ息を吐いて、コーヒーを飲んだ。




「また、イノセンスを狙ってAKUMAたちがあなたを狙ってくるかもしれません」




『あ、わたし紅子っていいます。』




「紅子さん、素敵な名前ですね」




『ふふ、ありがとう』








そっか、イノセンスだったのね、母さんが残してくれたこの指輪は。








「ですから、あの・・・」



少しアレンさんが言いづらそうに、何かを言おうとしている。




わたしはそんな彼をみて、ふふっと微笑んだ。









『アレンさん、わたしを仲間に入れてくれませんか、その黒の教団の』



「え・・・?!いいんですか?」






きっと、それをわたしに言いたかったんだろう。





「でも紅子さん女の子ですし、きっとこれから色々危険なことがあると思うんです、なので・・・」





『アレンさんがいれば、なんだか大丈夫な気がしちゃいました』






きょとん、とした顔をしたアレンさん。




そして、また困ったような笑顔にもどって、ありがとう、といって笑った。






では、早速で申し訳ないんですが、戻りましょう、またここにいてAKUMAに見つかっても大変ですから、と立ち上がる彼。





『あ、紅子でいいですよ』




「じゃあ、紅子。僕もアレンでいいです」




『じゃあ、アレンくん』





いきましょう、そういって前を歩く彼は、きっと少し年下なのに、なんだかすごくたくましく見えた。





これからわたしの家になる“黒の教団”。


一体どんなところなんだろう。





でもきっと、アレンくんがいれば大丈夫だ。





そんなどこから来たのかわからない自信を胸に、わたしはアレンくんの後を追った。







◎あとがき
やっとこさアレン君と紅子ちゃんの出会いのお話を書きました・・・!
はじめに考えていたお話とちょっと違うんですが、まあよしとしましょう(いいのか?)
次は教団到着後のお話が書きたい!
紅子さま、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!




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