ザッ、っとわたしを背中に隠して、アレンさんは、大丈夫です、とにこっと笑った。
その笑顔になぜか安心してしまうのは、アレンさんの不思議な力なのかな。
「これは貴方たちには渡しませんよ、もちろん、僕の命も」
そういって手袋をとったアレンさんの左腕が剣に変わり、白いマントに身を包んでいた。
(わ、きれい・・・)
こんな非日常的な光景、そう簡単に受け入れられるはずが無い。
そんなはずなのに。
この不思議な光景が気にならなくなるくらい、アレンさんは綺麗だった。
アレンさんは、ビュンと飛んで、相手と戦っている。
2対1という状況で若干不利なのか、少し苦戦しているように見えた。
でも、わたしはそれを手を合わせて見ているしかなかった。
足がガクガクと震える。
怖い
でも、逃げちゃダメ
次の瞬間、指輪がカッっと光、バラのツタが大量に生えてきた。
『えぇ・・・?!なにこれ・・・?!』
指輪をはずそうとしても、バラのツタが指に絡まり、はずすことができない。
『ちょ、やだ・・・!』
どうすればいいのかわからずにいると、敵の1人と目が合った。
ゾクリと背筋が凍る。
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