「この方は俺の・・・






―バチン!!






わたしは自分の両耳を思いっきり叩くように塞いだ。



耳がキーンとなって、もしかしたら鼓膜が破れたかもしれない。



でも、真実が聞こえなきゃ、それでもいい。










「・・・オイ菊子、頭大丈夫ですかィ」






・・・鼓膜、破れてないみたい。









『頭は大丈夫ですけど、耳が大丈夫じゃないです・・・っ』




「だろうねィ」






みせてみろ、なんていってわたしの耳を確認する沖田さん。




なんだよ、彼女の前でいい人ぶって、Sのくせに。



・・・かっこいいんだよ、バカ!!







『ちょっと声が聞こえないので、部屋で休んでます』






これ以上いたら、きっとなんか空しくなる。



そう思ってわたしは、洗濯物を置いて部屋に戻った。










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