「なんだ、カラスか」
そういって去ろうとする沖田さん。
ちょっと!今完全に目あったよね?!
私って認識できてたよね?!
しかもカラスってなんだカラスって!
せめてすずめにしてください!
『お、沖田さん!菊子ですって!!』
「え?菊子?」
沖田さんは、そんなとこでなにサボってんでィ、と眩しそうにおでこに手を置いて聞く。
『降りれなくなっちゃいました、てへ』
「どんくさ」
うわ、そんな本気でバカにしたような顔で言わないでください
ちょっと遠目ですけど、あからさまにそんな顔してるのがわかりますよ
『降りたいんです!何とかしてください!』
泣きそうになりながら訴えるわたし。
『もう沖田さんしか頼る人いないんです・・・!』
「飛び降りればいいだろィ、そんな高さじゃ死にやせんよ」
『痛いのは嫌なんです・・・!』
沖田さんは、はー、とため息をひとつかいて、わがままなお嬢さんだねィ、と頭をポリポリかいている。
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