さっきまでスイスイと流れていっていた風景が、すこし流れが遅くなる
坂のせいだ
でも、沖田の顔は以前涼しいまま
キツくないのかな?
『沖田、わたし降りようか?』
ちょっと気を使って聞いてみた
さすがにこの坂を私を乗せて登るのはキツいでしょ
結構斜度あるし
一人でもキツそうだ
「降ろさねェっていっただろィ」
「これ、電動機付自転車だから」
『・・・』
わたしは、沖田のその言葉にびっくりした
『・・・ぷっ、あははは』
そして笑ってしまった
なに笑ってんでィ、と沖田は不機嫌そうだ
『すごい、ハイテクだね、沖田』
「おー」
沖田は、自転車のギアを2段階切り替えて、電動機のついていない電動機付自転車を涼しい顔で漕ぎ始めた
(どうみたって、ただのママチャリだよ、沖田)
わたしは、立ち漕ぎをしているクールな王子を見上げる
『焼きそばパンと一緒に、特別にバナナオレもつけちゃうよ』
「お得ですねィ」
特別ついでに一緒に屋上で食いやしょう、という沖田の後ろで、わたしは直った寝癖を確認して
『特別だよー?』
といって笑った
◎あとがき
ほのぼの3Zネタが書きたかったのです。
ほのぼの・・・?なのか・・・?
菊子さま、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
[ 4/4 ][*prev] [next#]
[Dream Top]