さっきまでスイスイと流れていっていた風景が、すこし流れが遅くなる





坂のせいだ




でも、沖田の顔は以前涼しいまま




キツくないのかな?







『沖田、わたし降りようか?』




ちょっと気を使って聞いてみた




さすがにこの坂を私を乗せて登るのはキツいでしょ


結構斜度あるし


一人でもキツそうだ







「降ろさねェっていっただろィ」








「これ、電動機付自転車だから」





『・・・』




わたしは、沖田のその言葉にびっくりした





『・・・ぷっ、あははは』




そして笑ってしまった





なに笑ってんでィ、と沖田は不機嫌そうだ





『すごい、ハイテクだね、沖田』





「おー」









沖田は、自転車のギアを2段階切り替えて、電動機のついていない電動機付自転車を涼しい顔で漕ぎ始めた







(どうみたって、ただのママチャリだよ、沖田)





わたしは、立ち漕ぎをしているクールな王子を見上げる










『焼きそばパンと一緒に、特別にバナナオレもつけちゃうよ』








「お得ですねィ」








特別ついでに一緒に屋上で食いやしょう、という沖田の後ろで、わたしは直った寝癖を確認して






『特別だよー?』





といって笑った






◎あとがき
ほのぼの3Zネタが書きたかったのです。
ほのぼの・・・?なのか・・・?
菊子さま、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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