朝、
暗い朝を迎えたのは、今日が何度目だろう
空より上にある宇宙の朝は、いつもどおり、暗く、青く、赤く。
地球で育った期間が長いわたしにとって、これになれるのはかなり大変だった。
地球では、お日様があがれば朝、日の光で目が覚める。
しかし、宇宙にお日様は上がらない。
わたしの見えない遠いどこかで、いつも燃えている。
お日様と引き離された場所で朝を知るには、時計だけが頼りだった。
「うーん」
さっきから、ピピピととめどなく鳴っている目覚ましの機械的な音は、ただ耳を通り抜けていくだけ。
突然太陽が恋しくなってしまったのか、布団からでたくない。
もぞもぞと布団をいったりきたり。
潰している時間なんてないのに。
何を隠そう、今日は大切な任務の日だった。
女の子のわたしが必要だからと、今日の任務は失敗ができないと。
あれほどいわれていたのに。
なんでこんなにも、体が動かないのだろう。
「・・・あったま、いたい」
そういえば、ガンガンと頭が痛いのに、今気がついた。
ボフっと枕に顔をうずめる。
ひんやりと、枕の温度が心地よかった。
ああ、このまま枕と同化してしまいたい。
すう、と意識が離れそうな瞬間、ガラリと部屋のドアが開いた。
「月子、まだ起きてないの?」
スタスタと少し急ぎ足でわたしに近づいくる団長。
それでも布団から顔をだそうとしないわたしに、団長は首をかしげた。
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