ぽかぽかと暖かい日の光を浴びながら、ふわりとそよぐ月子の髪。
それを横目に、光が当たらぬよう、傘を差しながら歩く俺。
自分のこの体質に、少しも困ったことは無かった。
日が出ていれば、傘を差せばいい。
傘が邪魔なら、包帯を巻けばいい。
夜になったら、俺に自由が訪れる。
だた、最近なぜかこれに不便さを覚えるようになった。
横では、傘も差さず、包帯も巻かず、暖かい光を浴びている月子がいる。
原因はきっと、これ。
俺より弱いくせに、なんで太陽は大丈夫なんだ。
これで月子が、月の光がダメだったら、きっとこんな気持ちにはならないのだろう。
気持ちよさそうに日を浴びている月子を、少し後ろから眺めてみる。
姿形は変わらないのにね。
まったく、可笑しな話だよ。
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