―ズズズ




部屋に、ココアをすする音だけが響く






はあーと、意味もなくため息をついてみる









『冬だなあ・・・』







わたしの声は、暗い部屋の中へゆっくり溶けていった












なんでこんなにも意味のないことをしているのか













それは、今日がクリスマスだからである







地球にいたころは、銀ちゃんたちとクリスマスパーティをしていたが、宇宙ではそんなものないらしい





昨日のイブも、なんのイベントもなく一日が終わった





船内にはクリスマスツリーすら飾っていない





まあ、ここは仕事場でもあるから、そんなもの必要ないのかもしれないけれど






それ以前にこの船の中には、クリスマスをしっている人がいないのだ







昨日、団長と阿伏兎さんに、今日はイブですねーってうきうきしながら話しかけたら、は、なにそれ、と逆にバカにされたのが本当に悔しかった




そのあと、クリスマスについて力説したんですが、本当に興味がなさそうなので、さすがに説明するのを途中でやめました



団長は“ごちそう”のフレーズに一瞬反応していたけれども






男の人って、なんでこうもイベントに興味がないの!







案の定、クリスマス当日も、もうあと3時間くらいでお終わりを告げる








『・・・メリー、クリスマス・・・』






マグカップに向かって言ってみたりする





なんて悲しいことをしているのわたし




他の人がみたら絶対引かれるよ今の!









そんなことをぐだぐだと思っていると、コンコンと部屋のドアが鳴った






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