「だーれだ!」






自室で本を読んでいたわたしの目の前が、急に真っ暗になった。



きっとだれかに目隠しをされているからだろう。



誰にされているかはもう見当がついています。






楽しそうな声


大きい手


心地いい体温


おちつく香り








そしてプリッツの匂い







『・・・団長ですね?』






目隠しとかそういうお茶目なところは大好きですよ。


ただ、お菓子を食べたら手を拭いてください。


顔にプリッツの美味しい粉がついてしまったではありませんか。








「あり?もうバレちった」





とぼけた声が聞こえますが、相変わらず視界はくらいまま。








『団長ー、当たったなら手をどけてくださいよー』




うーん、と一声聞こえてきて、目を塞いでいた手が首へ移動した。











「なんか悔しいなー、首絞めていい?」








!?



なんという恐ろしいことを・・・!!!








『だだだダメに決まってるじゃないですか!!』




慌ててそう答えると、ちぇー、といって渋々てを離してくれた。






わたしは日々、死と隣りあわせなのです。








でも本当に殺そうとしてるわけじゃないこともわかってる。


というか、そう思いたい。


例えるならそう、飼い犬がじゃれて噛みついてくるとか、その類として受け取っています。


・・・そうじゃないとやってられません。







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