船に戻った団長は、さっさと食堂にいってしまった。


そして私は今、早々に届いた家具たちを、部屋に配置をしようとしているところだ。


そこで問題が発生しました。
ベットが重くて動かせません。タンスもテーブルも動かせません。


団長は絶対手伝ってくれない。


(うーん、ピンチだ…)





―コンコン


そんなことを考えていると、誰かが私の部屋のドアと叩いた。



『はーい、どう・・・

―ガチャ

『?!』

私が返事をする前にドアを開けるデリカシーのない人は1人しかいない。



「月子、いるよね?」



『…団長、わたし一応女の子なんですが』

「? 知ってるよ。」



だから何?みたいな顔して私を見る団長。



『ご存知ならいいんですが』

団長にデリカシーとかそんな話しても意味がないことは、会ったばかりの私でも十分わかっていたので、それ以上のことはいわなかった。
ノックしてくれるだけマシですね。


「夜兎の衣装もって来たよ。どれでも好きなのを着なよ」

そういって私の部屋に、次々と運ばれるダンボール。




ちょっとまって!まだ家具も置いてないのに…!!




止める間もなく、わたしの部屋は、ダンボールでいっぱいになった。

もうどれが家具の箱なのか、服の箱なのかわからない。



じゃあ、好きなの選んだら服は片付けておいてね。ここの廊下の奥に物置あるから。そういって部屋を去ろうとする団長。



『ちょ、ちょっと待ってください団長!』

「何?」

笑顔で振り返る団長。

(うん、ここでお願いするしかない・・・!)


『あのー、家具動かすの、手伝って頂けたりしますか…?』




団長は笑顔を崩さない。


こわい。


その笑顔がこわい。


なんか言って!団長!

無言の笑顔が一番怖い!!!








「いいよ」



『え?』



(いいの?いいんですか?)




「じゃー、さっさと片付けよ」



そういってテキパキ服が入っているダンボールを外に出し、家具の箱を開けて、どんどん部屋を片付けていく団長。



こわい。

どっちにしろこわい。

手伝ってほしかったけど、ホントに手伝ってくれるとは思っていなかった。





「ベットはここでいいの?」なんて、笑顔で聞かれちゃってますが、絶対後でなんかあるんだわたし。


びくびくしながら、わたしも部屋の整理を手伝った。







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