「お腹が減った」



その一言と共に部屋に入ってきた団長。



相変わらずノックはなし。






わたしが着替えたりしてたらどうするんですか、なんて常識的な質問をしたのはもう遠い昔。


別にどうもしないよ、と笑顔で答えられて、あぁ、ですよね、と返してから、もうその類の質問はしないのだ。






『食堂で作ってもらえばいいじゃないですか』




一番手っ取り早く美味しいご飯を食べられる方法をいったはずなのに、団長は顔をしかめた。





「食堂の奴ら、今食料買出し中でいないんだよ。それじゃなきゃわざわざここにこないでしょ?」




『なるほど。・・・で、わたしはどうすればいいんですか?』



「わかってるでしょ?」



『・・・団長、何を召し上がりたいんですか?』



「アンタ、何作れるの?」



『目玉焼きしかつくれません』



「殺しちゃうぞ」



『・・・!一通り作れます・・・!リクエストをお願いします・・・!』



「よし、じゃ、行こうか」



そういって、くるっと食堂へ向かう団長。


わたしも急いで団長を追いかけた。






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