『どしたんですか、阿伏兎さん?」
「団長が...」
その単語を聞いて、今度はわたしが青ざめた。
オイ、とわたしを呼ぶ阿伏兎さんの言葉を最後まで聞かず、わたしは団長の部屋へ走り出した。
阿伏兎さんがあんな顔をするくらいだもん、
絶対団長に何かあったんだ
どうしよう、
“もし団長が”
そんな最悪な想像が浮かんできて、視界が歪む
いつもなら優しく叩くドアも、感情が先に出て荒々しくなる
返事も聞かずに、わたしは団長の部屋の扉をあけた
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