目の前には、チョキを出した団長が、きょとんとした顔で立っていた。











「ほんと、月子はどうでもいいときに運をつかうね」










たった今、わたしはじゃんけんに勝利をしました。









じゃんけんっていっても、タダのじゃんけんではありません。






いつも任務がなくて暇なときには、こうやって二人で何かをかけた勝負をしている。






今回のルールは、“負けたほうが勝ったほうのいうことを1日きく”





何度かこの条件で勝負をしてはいたものの、かけっこに腕相撲、大食い対決などなど団長の得意なものばかりで惨敗していたので、今回は平等にじゃんけんで勝負をした。




まさか、ほんとうに勝てるとは思わなかった。







わたしは、わたしのお願いを聞いてもらうべく、勝ったときのために用意しておいた雑誌を何冊か団長に渡した。







「なあにこれ?これを捨てればいーの?」




首をかしげた団長は、ゴミ箱に向かおうとする。






『ちょ!捨てないでください!!読んでほしいんです!ここを!!!』






バサリとわたしが開いたページは、“憧れデート特集”






わたしの夢がつまったページです。







目を輝かせながら団長を見ると、団長はあからさまに嫌な顔をした。







「・・・アンタ、こんなのよく俺に求められたね」







眉間にしわをよせて雑誌をパラパラと見る団長に、受け入れなかった場合は、夜ご飯抜きって覚えてますよね?と笑いながらいった。







団長は、ほんとかわいくないよアンタ、といって、ため息を吐いた。








そして、集中するから自分の部屋に戻ってて、という団長の言葉を素直に受け入れて、わたしは自室に戻る。









[ 2/10 ]

[*prev] [next#]


[Dream Top]




「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -