ふと、横で顔色一つ変えずに米俵と重いタマゴをもつ団長を見つめる。





その横顔はとてもきれいで、まるでなにも持っていないかのように、スタスタと歩いている。





わたしは、その一歩を踏み出すのが、あんなにも辛かったのに。














『わたしも、団長みたいに力持ちになりたいです』













そうしたら、お米だって、タンスだって、固いビンの蓋だって、自分で開けられる。






ひとりでできることも、いっぱい増えるのに。










そんなわたしの考えをよそに、団長はあははと笑ってこういった。













「月子はそんなの必要ないでしょ?持てなかったら、俺がいるんだし」












力持ちは2人も必要ないよ、そういってスタスタと変わらず歩き続ける団長。











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「見えない臓器の名前は」
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