『こ、腰が折れそうです...!』






前のめりのままやっとのことで歩いているわたしを見かねてか、団長はため息をはきつつ、米俵をひょいと持ち上げた。









いっきに背中からの圧力が消えて、軽くバランスを崩す。








『うわわ』







よろりとよろけたわたしの手から、団長がたまごの入った買い物袋を取り上げるのと同時に、わたしはしりもちをつく。











いたた、とおしりをさするわたしをみて、大丈夫、たまごは無事だよ、とにこりと笑う団長。










『...わたしよりたまごのが大事ですか』







ムスっとしてたまごを睨むわたしをみて、団長はケラケラ笑い出す。









「だってアンタ、さっき鳥小屋の鶏みて怖がってたじゃない」







もう一度いきたかったの?なんて笑いながら、ハイ、と手を差し出してくれた。












この団長の優しさが、わたしは好きだ。






銀ちゃんとも新八君ともちがう、この優しさ。












だからこそ、わたしは団長なんだろうなあ、とつくづく思う。







[ 3/5 ]

[*prev] [next#]


[Dream Top]




「#寸止め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -