『こ、腰が折れそうです...!』
前のめりのままやっとのことで歩いているわたしを見かねてか、団長はため息をはきつつ、米俵をひょいと持ち上げた。
いっきに背中からの圧力が消えて、軽くバランスを崩す。
『うわわ』
よろりとよろけたわたしの手から、団長がたまごの入った買い物袋を取り上げるのと同時に、わたしはしりもちをつく。
いたた、とおしりをさするわたしをみて、大丈夫、たまごは無事だよ、とにこりと笑う団長。
『...わたしよりたまごのが大事ですか』
ムスっとしてたまごを睨むわたしをみて、団長はケラケラ笑い出す。
「だってアンタ、さっき鳥小屋の鶏みて怖がってたじゃない」
もう一度いきたかったの?なんて笑いながら、ハイ、と手を差し出してくれた。
この団長の優しさが、わたしは好きだ。
銀ちゃんとも新八君ともちがう、この優しさ。
だからこそ、わたしは団長なんだろうなあ、とつくづく思う。
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