「めずらしいね、いつもは俺がくると飛び起きるのに」
冗談でも皮肉でもなく、俺は単純にそう思った。
以前から、たまに任務のし出発時間ギリギリにくることは何度かあった。
しかし、それは誰しもやることで。
俺の方がサボることは多いから、注意することもなかった。
それに、俺が迎えにいくころにはどたばたと支度をしていて、とりあえず任務には間に合っていたから、問題はない。
寝坊をしていること何度かあったが、そのときは俺の声を聞くなり飛び起きて、俺を部屋の外に追い出して支度をはじめた。
でもこれは、初めてのパターン。
この対処法を、俺は知らない。
「ねえ、起きないの?」
ふにっと起こそうとつねった月子のほっぺたの温度に、違和感を感じた。
「?」
疑問におもって、首に触れる。
俺が触れても何の反応もしない月子。
汗をかいて、眉間にしわがよっていた。
俺はふとんに包まって動かない月子のおでこを2回なでて、部屋をでた。
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