わたしは、いつものように、団服に着替えて、食堂へ向かう






いつものように、団長の隣に座って、ごはんを食べる





いつもどおりにしているはずなのに、団長はわたしの顔をじっとみつめて、首をかしげた









『? どうしたんですか?』




「んーん、なんでもない」




『??』




「口ひらくヒマがあるなら早く食べなよ」





そういいながらわたしの卵焼きをパクリと食べる団長






『あ!とっておいたのに!』




「とっておくほうが悪いよ」





もぐもぐと美味しそうに口を動かす団長をみて、キュンとした










ああ、なんてかわいい人なんだろう







わたしはこんな素敵な人の傍にいられるなんて、本当に嘘みたいだ








長い、綺麗なまつげ



淡く、深い蒼い瞳



さらさらと輝く桃色の髪



透き通るような白い肌






どこかの絵本からとびだしたようなその人は、本当に別世界の人みたいだ







ぼけーっと団長を見つめていると、なあに?と綺麗に笑ってくれる人







わたしは、その笑顔が大好きだ










「ごはん食べたら、なにしよーか」







『んー、どうしましょう』






「じゃ、とりあえず俺の部屋にきてよ」





『わかりました』







こんな会話ですら、客観的に見ると、本当に夢のようだ






当たり前のように団長の隣にいて




当たり前のように団長とはなしている自分は





これを“当たり前”だと思っていいのだろうか











心の中の、どこか隅のほうで、くろい塊がうずいた






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