「月子、今何時?」





『はあ・・・っえ?えっと、11:45です・・・っ』




「そっか」






なんとか間に合ったネ、と団長はゆっくり部屋の扉を開けた








そこには、七夕のときも連れてきてもらった宇宙が見える部屋。





その大きな窓から見える宇宙は、あのときと変わらずに、きらきら暗く、輝いていた。







『・・・懐かしいですね』




そういうと、団長はにこっと笑って、窓へ近づく。






「おいで」





言われるままに、窓へ近づいてみると、ふわふわと、何かが宇宙に降っている。
















『・・・雪・・・?』











白く、まばゆく宇宙の下へ吸い込まれていくそれは、地球で見たときよりもずっときれいな、雪だった。









「正しくは、コスミックスノー。宇宙の底のほうにある星に積もっている雪だよ。その星の重力に吸い寄せられるから、降っているように見えるんだ」










『・・・きれい、です』








宇宙に降っている雪を見ることができるなんて、思っていなかった





本当に、きれいだ










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