―1時間後
テーブルには、美味しそうなごちそうが、たくさん並んでいる
何を隠そう、これをすべて作ったのは、わたしなのだ
少しの達成感を感じながら、ゆっくり席に着く
団長は、目の前のごちそうを見ながら、笑顔で頷いていた
『さ、団長、食べましょうか』
その声と同時に、ガツガツと食べ初めて団長
団長は、食事をしているときは喋らないことが多い
喋らないというか、食べていて喋る暇などない、といった方が正しいかもしれない
チキンもまるごとかぶりついている
それ、半分こしようと思ったんですけど、そういう前に全部食べられてしまった
わたしはというと、晩ご飯もさっき食べてしまったので、実はあまりおなかが減っていない
美味しそうに食べる団長を、わたしはただにこにこしながら見ていた
ふいに、パチっと団長と目が合う
あ、と何かを思い出したような顔をする団長
「月子、今何時?」
『えっと・・・11:30です』
時間をきいて、あぶないあぶない、と残っていたスープを一気に飲み干すと、団長は立ち上がった
『?』
「ほら、急ぐよ、月子」
『??』
また手を引かれながら、今度は走ってどこかへ連れて行かれる
ちょ、っと、さすがに走るの早いです団長・・・!!
ぐいぐいと手を引かれて走っているわたしですが、足がそれについていかなくて、引きづられている感じに近いです・・・!
腕が千切れそう・・・!!
ゆっくり速度が遅くなったかと思うと、大きな扉の前でピタっと立ち止まった
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