―ガチャ






「メリークリスマス、月子」






そこには団長が立っていて。





しかも、赤いサンタ帽というなんとも可愛らしいおまけつきだ。








『だ、団長・・・?!/// どうしたんですか可愛い・・・!!!///』






わたしが状況を理解できずにいると、笑顔を崩さない団長が、スっとわたしの手をとった。





「ほら、いくよ」





『?!』







ぐいっと腕を引かれながら歩き出す






早歩きで前を歩く団長のサンタ帽が、ぴょんぴょん跳ねているのがなんだかかわいくて、少し笑ってしまった











連れてこられた先は、食堂





もうこの時間じゃ使ってる人はいないのだろう






食堂には、わたしと団長しかいないようだ











厨房の前まで連れてこられると、ぱっと手を放されて、にこにこ笑っている団長






わたしもにこにこ笑っていると、なにやってるの、といきなり真顔になった





『えっ?』





状況がいまだに理解できてないわたしに、団長は、はあー、とため息をついて口を開いた








「今日、クリスマスなんでしょ?」






『はい』






「パーティ、したいんでしょ?」





『はい』






「じゃあ、ごちそう作りなよ」





俺が食べてあげるから、と。


















あれ、団長、何か勘違いしてませんか?



クリスマスは、ごちそうを食べる日ではないのですよ?













そんなことを思ったが、団長とクリスマスがすごせるなら、何だってしますよ







わたしは、ぐいっと腕まくりをして、料理を作り始めた





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