部屋に戻る途中、目に飛び込んできたきれいなピンク色。
その色に、わたしの胸はときめく。
『だーんちょー!』
駆け足でわたしは団長をよんだ。
でも、団長は振り向かない。
あれ、聞こえないのかな。
『だーんーちょー!!』
さっきより大きな声でよんでみる。
それでも団長は振り向いてくれない。
もう少しでおいつく
そう思った瞬間に、団長は走り出した。
『え?!』
なんなの!
どしたんですか団長!
『な、何で逃げるんですか!』
団長から返ってくる言葉はなし。
全力で追いかけているが、団長の足にかなうはずが無かった。
団長はどんどん小さくなって、角を曲がったところで、見失ってしまった。
廊下には、わたしの不規則な呼吸だけがさみしく響いていた。
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