『マコー』
『マーコー』
『まこちゃーん』
「・・・さくら、今授業中」
『そんなの関係ない』
真剣な顔して、わたしは今マコとすごく喋りたいの!なんて言ってくれるのは嬉しいんだけど、絶対眠いからだろ。
人を眠気覚ましのために使うのは勘弁してもらいたい。
(・・・まあ、話しかけてくれるのは嬉しいけどね)
新学期、俺とさくら、そしてハルはまた同じクラスになった。
偶然席も3人横に並んでいる。
だからだろうか、さくらが去年より気が抜けているように見えるのは。
『あーマズイ、本格的に眠くなってきた』
「まだ授業はじまったばっかりだよ・・・」
『これはいけない、先生の話がつまらないのがいけない、もう眠る』
「ちゃんと聞いてみなよ、わかってくると面白いよ、だからほら・・・」
まず顔をあげて、そう言いかけると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
(さくら寝るの早すぎ...!)
先生に見つからないように、慌てて起こそうと肩を叩くと、さくらがうーんと唸って顔をこちらに向ける。
(あ、寝顔...)
さくらの寝顔なんて、何年ぶりだろう。
小さい頃は、一緒に昼寝とかしてたなー・・・
無防備に目を閉じているさくらと、昔の記憶が重なる
(・・・あの頃から全然変わってない)
なんだか懐かしくなって、クスっと小さく笑うと、俺はそっとさくらの肩にブレザーをかけた。
すいみん時間が
(いつのまにか寝てた)
(いつのまにかじゃなくて、堂々と宣言したあとに寝てたよ)
(次はマコにも気づかれないように寝る方法を...)
(考えなくていいから!)
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